【kintone活用法】kintoneってどんなサービス?
こんにちは、縁紡ぐです!
『kintoneって結局何ができるの?』『うちで取り入れたらどんなことができるの?』と悩んでいませんか?
そんな方に向けて、『kintoneってなに?』について書いていきます。
kintoneってなに?
kintoneは、Cybouzu社が提供するWebアプリを作成できるサービスです。kintoneのホームページは、https://kintone.cybozu.co.jp/です。
kintoneは、自社の業務にあったシステムをすばやく構築できるという製品です。
kintoneの売りのひとつとして、「開発経験がなくても作成できる」というのがひとつの特徴です。
kintone、開発経験がなくて本当に作れるの?
開発経験がなくてもってのが、正しいようで正しくないかなぁ、って思います。コーディング(プログラミングを書く)をしたことがなくてもという意味でいうと、未経験でもできると思います。
ただし、必要な情報を整理し、どのアプリ(テーブル)にどんなフィールドを持たせるべきか。そして、作成・参照・更新・削除といった処理まで考えて、実際に運用したときに、問題がないかを整理することは、必要になります。
開発でいうところの、テーブル設計という作業ができる必要があります。RDB(リレーショナルデータベース 現在業務システムで使われている一般的なデータ管理方式)を取り扱った人には、必要なデータを整理して、正規化していく工程で、イメージはつくと思います。が、開発をしたことない人にとって、この作業をすることに対して、難かしいと感じると思います。
Webアプリってなに?
Webアプリは、ブラウザ(Chrome、safari etc.)で動かすことができるアプリです。楽天やAmazonをパソコンで買う時は、Webアプリを利用していますね。Webアプリは、スマホでもブラウザを利用すれば、同じように動かすことができます。スマホで操作できるってことは、外出先でも使えるってことになります。
ただ、パソコンとスマホでは画面サイズが異なるので、レスポンシブ対応という画面サイズに合わせた配置や、大きさの調整をする必要があります。これが地味に、Webアプリの開発工数をあげて値段があがるんですよね💦
kintoneでは、「スマートフォン用フィールド設定」というメニューからスマホ用のデザイン設定を素早く設定することができるようになっていますので、スマホ用の画面をサクッと作ることができます。
Webアプリだから場所や時間にとらわれない情報連携が可能
ひと昔前ならあった問題が、Webアプリだと簡単に解決できるようになります。
- 外出先だから、顧客情報が見れない。
- 在庫があるか見たいけど、電話して確認しないと分からない。
- Excelをだれか触ってるから自分は編集できない…
- 現場の写真をLINEで送ってもその人としか共有できず、必要な人みんなに毎回送らなければならない
- 対応履歴をExcelで作っても、探すのが大変で続けられない
こういった問題を解決してくれるのが、Webアプリの特徴ですね。外出先でも、スマホで情報を「登録」「閲覧」「編集」ができ、今までと違った対応スピードになります。
この変化の速い時代についていくためにとてもいいツールなのが、Webアプリです。
Webアプリを開発してもらったらいいんじゃないの?その方がいいもの作れない?
Webアプリがいいものだということがわかってもらえたかと思います。でも、それなら、システム開発会社にお願いして、アプリを開発してもらったらいいんじゃないの?って思いませんか?
わたしは、AIでおなじみのPythonを使ってWeb開発を経験したこともありますし、開発会社にお願いしてWebアプリを開発してもらった経験がありますが、システムを開発会社にお願いして作成してもらった場合、費用は、大きく分けると以下の費用になります。
- 要件定義費用
- 開発費用
- インフラのアップデート保守費用
- 改修費用
要件定義は、システム開発の内容を整理する作業です。処理の条件や、タイミング等を細かく確認していく作業で、ここで要件が漏れると機能が漏れることになります。この作業は、kintone開発でも同じです。
機能漏れものは、気づいた段階で追加をするのですが、kintoneは、比較的変更がしやすく作成されているため、変更対応工数は少なくて済む可能性があります。システム開発をお願いしている場合は、どうしてもkintoneより変更対応工数は、多くなり費用が高くなる傾向があります。
開発費用は、kintoneであればインフラはすでに用意されているので当然、安くなります。標準的な処理についても、kintoneでは、作成しやすくなっているので安くなります。デメリットとしては、kintoneのプラットフォームとしての機能制約をうけるため、どうしても複雑処理ができなかったり、大量データの処理に向いていないというデメリットが発生します。
インフラ保守費用は、システムを作成するときは、サーバー本体、OS、ミドルウェア、開発言語のバージョン、フレームワークなど、たくさんのものを使って作成されます。使っているそれぞれで、バージョンがありセキュリティ問題が発見されれば、アップデートが日々行われています。
このアップデート作業がなかなか大変なんです。よくアップデートしたら、動かなくなった!原因調査に2日かけ、フレームワークとこのミドルウェアのバージョンが対応してなくて動かない。など、アップデートすることによって発生する問題があるので、今まで正常にできていた処理ができるかを確認する必要があるんですよね。これがかなり費用としてかかってきます。
kintoneでは、これが起きないか?というと、標準的な機能を使って作っていれば起きません。そこは、Cybouzu社が確認をしてリリースしてくれるので、安心です。日々のkintoneのアップデートで問題になるとしたら、プラグインやJavascriptでカスタマイズを行っていた場合は、正常に動作しなくなる可能性があるので対応が必要です。
改修費用は、開発と同じなのでkintone方が安くなりやすいです。
トータルで考えると、kintoneで作成できるレベルの複雑さやデータ量であれば、費用全体としては、システムを一から開発してもらうより、かなり費用は抑えることができると思います。
システムは生き物
最近の技術の進歩、発展のスピードは以前と比べて早くなっています。昔は、ひとつのシステムを作成したら10年や20年使える時代でした。でも、今は、取り扱う商品や注文方法、管理方法、販売方法も目まぐるしく変わっています。
当然、時代や環境の変化に柔軟に対応することがシステムにも求められてきます。変化に対応するためにkintoneで作成していたら、更や追加を柔軟に対応することができますが、システム会社に開発をしていた場合、費用と時間がかかるため、時代の流れから遅れてしまう可能性が出てきます。
いざ使いはじめたら、もう少しこうなっているといいなぁ。ってことはよくあります。これが開発していた場合、費用が高くなりやすいので実装できず、使いにくいから使われなくなったなんてことも起きがちです。
現場の状況によって変更していきたい、今後もやり方が絶対にかわらない普遍的でないのであれば、kintoneを利用するほうがいいと言えるでしょう。
kintoneの歴史
kintoneのことは、何となく理解してもらえたと思います。
私がkintoneに出会ったのは、2012年頃だったと思います。グループウェアを変えるきっかけで、Cybouzu社のOfficeを選定している時に、Cybouzuさんからkintoneというサービスを紹介してもらい、30日無料で少し触ったのが最初でした。
この時は、グループウェアがCybouzu社製以外のものに決定となったため、kintoneもその影響で触らなくなりました。
kintone、サービス開始は2011年11月
kintoneは、2011年11月から開始されたサービスです。今から、10年以上前に、変化の速い時代に対応するためのサービスを開発し、リリースしていることがすごいですね!
マウスでシステムが作れる!なんて、10年以上前に考えて、リリースしている、Cybouzu社の気持ちに拍手です!
利用企業数

2021年4月で2万社、2023年12月には23,000社というたくさんの企業が導入しています。サービスの認知度が高まってきていること、そして時代がスピードを求めていことが影響していると思います。
アップデートと改良が毎月のようにされている
kintoneは、毎月いくつかのアップデートがされています。機能アップやセキュリティホールの穴埋めなど様々です。主なアップデートについては、こちらのhttps://kintone.cybozu.co.jp/update/main/で確認ができます。
どんどん便利になる機能が追加されています。プラグインでしか実現できなかったことが、標準でできるようになったりするような機能追加も行われています。
アップデートは、kintoneユーザー全員が追加料金なしで、享受できるのでありがたいですね!
kintoneって自分で作れるか?
kintoneがいいものだと思っても、この疑問になると思います。情シスとして、基幹システム、グループウェアを含め約10システムを導入や入替、定着、保守運用してきた経験からの判断です。
テーブル設計ができる知識があればできる
プログラミングできるかどうかより、テーブル設計が大切だと思います。プログラミングは、1+1=2という結果が出すためのコード作る人であり、システムを家だと考えると、プログラミングの役目は、大工さんです。ここの部分はkintoneが構築しやすく作ってくれていますが、家の設計をする建築士の役割である、業務の整理と解決すべき問題、そのためのテーブルの設計できれば、kintoneを構築することは、可能だと思います。
kintoneはRDBではない

システム開発の経験がある方だと、kintoneもRDB(リレーショナルデータベース)で作られているのでは?と考えがちです。RDBでは、例えば顧客名を顧客テーブル以外では持たず、顧客IDから紐づいて顧客名を取得できるようにし、関係性を整理管理する方法でデータを管理します。
RDBを知らない人でも、アプリの設計を考える時には、同じ情報を色んな場所で持たないということを意識するといいと思います。
ただ、kintoneはRDBではありません。ルックアップで参照している場合でも、参照先でデータを保持しているのではなく、自アプリで保存しています。参照先のデータ、上のテーブルで顧客名を変更しても、注文テーブルで参照している顧客名は、変更されません。変更したい場合は、再度参照しているレコードを開いて、更新するか、カスタマイズして参照先のレコードも更新する必要があります。
こういった、kintone特有の癖を把握したうえで設計し、将来の拡張も考慮しながら作成する必要があります。
作るより大切なのはしっかり定着させること
kintoneを作ることよりも大切なことがあります。システム導入で1番難しいのは、現場に定着させることです。
使う人、管理する人、参照する人、色んな立場の人がいて、今までの自分のやり方が一番効率的に出来るからといって、システムを使わない人が出てくることです。これは、出退勤システムのような半強制的なシステムでも起きます。
現場が使いやすい!って思えるまで、そして面倒であってもそれをすることで、誰かの役になっていることを理解してもらうために、現場の意見を聞きながら改良や、教育、お願いをして定着させること、これが一番難しい作業であり、システム導入の成果をだすために必要な作業となります。
kintoneっていくらなの?
kintoneを使ってみようかなって思われた方も多いと思います。気になるのが費用面ですよね。
各費用については、下の表になっています。
kintoneのプラン毎の金額
スタンダードコース | ライトコース | |
金額 | 月額1,500円/1ユーザー (年額17,640円/1ユーザー) | 月額780円/1ユーザー (年額9,170円/1ユーザー) |
外部サービス連携 プラグイン、拡張機能 | 〇 | × |
アプリ数 | ~1,000個 | ~200個 |
スペース数 | ~500個 | ~100個 |
ディスク容量 | 5GB×ユーザー数 | スタンダードコースと同じ |
サポート | 月~金9:00~12:00 13:00~17:30 | 同じ |
言語設定 | 日・英・簡・繁 | 同じ |
スマホ専用アプリ | アップル・アンドロイド | 同じ |
ゲストユーザー | 月額1,200円/1ユーザー (年額14,110円/1ユーザー) | 月額580円/1ユーザー (年額6,820円/1ユーザー) |
ゲストスペース数 | ~500個 | ~100個 |
セキュアアクセス | 月額250円/1ユーザー (年額2,940円/1ユーザー) | 同じ |
ディスク増設 10GB | 月額1,000円/10GB (年額11,760円) | 同じ |
業務として使っていく場合は、スタンダードコースを利用することが多いと思います。その他オプションについては、必要な場合のみ契約すればよいでしょう。
学校法人や特定非営利活動法人などは、ライセンス体型が違うのでホームページからご確認ができます。
kintoneは、高い?安い?
kintoneは、最低契約ユーザー数が5ユーザーという縛りがあります。スタンダードコースであれば、
1,500円×5ユーザー×12ヶ月=90,000円
これは最低でもかかる費用です。高いかなぁって思うかもしれませんし安いなぁって思うかもしれません。
一般的に、Webアプリを開発してもらおうと思った場合、AWS(クラウドサーバー)の構築だけでも数十万以上かかり、さらにアプリ部分の開発は、めっちゃ簡単なシステムでも100万以上はかかります。
システム開発を経験されたことがない方は、安く感じる方は少ないかもしれませんが、自分たちにあったシステムを作成することができる!ということで考えると、すっごく安いサービスであると思います。
また、日々のアップデート作業は、自動で行われますので、セキュリティ対策上も安全です。たまに、アップデートにより、プラグインやカスタマイズしたものが動かなくなることがあるかもしれませんが…
自社開発した場合、このアップデート作業だけでも、テスト環境を構築して、アップデートをしてすべてが動作するかの検証を行い、本番に適用するといった流れになり、費用がかなりかかります。kintoneであれば、インフラの自動でアップデートしてくれることは、とってもありがたい作業であり、費用削減になっているのです。
ただし、kintoneは、1個や2個だけのアプリ数で費用対効果は出にくいと思います。例えば、顧客リストだけをkintoneで管理するようになっても、Excelのまんまでもよかったんじゃない?これで年間9万円ってなりますよね。
顧客につながる商談履歴や、注文履歴など、関連する情報をkintoneで管理するようにすると、費用対効果がかなり出てくると思います。
kintoneは、複数のアプリを作成利用することで費用対効果をだすことができます。
どんなものがkintoneで実現させやすいの?
kintoneで実現させやすいものは、Excelの表で管理しているものです。送付先一覧表とか、商品一覧といった表をkintoneに乗せ換えることが、非常に向いています。
Excelが得意な方がVLOOKUPなどを利用して表を作成している場合でも、kintoneのLookup機能が同じことができます。Excelで管理しているものは、VLOOKUP等を利用していも、kintoneへの乗せ換えに非常に向いています。
kintoneは、30日間の無料トライアルができますので、まずは触ってみることがkintoneを知るいい方法のひとつだと思います。
まずは、kintoneに触れて実感してみよう!
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